王様ゲーム-TABOO-
命令は絶対
「王様だーれだ!」
「オレ、王様ー」
隼人が割り箸を掲げた。
「じゃあねぇ、2番が5番のほっぺにちゅー!」
「えーいきなりそうゆうのからー?」と非難の声が上がる。だけど本気の拒否じゃないことくらい、声を聞けば明白。
困ったふりをしながらそれぞれの番号の人が名乗り出た。照れ臭そうに笑い合う。そして、宏樹が少し屈んで香織の頬にキスをした。
一組目を見届けて、あたしは静かに席を立った。
「どこいくの?」
隣に座っていた彼氏の仁に聞かれて、声には出さずにトイレ、と伝えた。
もう何度も訪れたことのある隼人のマンション。サークルの飲み会は広い部屋のあるここで行われることが多いから、もう勝手は知ってる。
部屋を出て、トイレに行く振りをして隣の部屋に入り、ベランダにこっそり出た。
最近飲み会で始まる「王様ゲーム」に、私は乗り気になれなかった。
仁という彼氏もいるし、私たち以外にもカレカノが何組かいるのに、どうしてこんなことになってしまうのか。
ノリが悪いと言われても、彼氏が他の人とキスするところなんて見たくない。
「オレ、王様ー」
隼人が割り箸を掲げた。
「じゃあねぇ、2番が5番のほっぺにちゅー!」
「えーいきなりそうゆうのからー?」と非難の声が上がる。だけど本気の拒否じゃないことくらい、声を聞けば明白。
困ったふりをしながらそれぞれの番号の人が名乗り出た。照れ臭そうに笑い合う。そして、宏樹が少し屈んで香織の頬にキスをした。
一組目を見届けて、あたしは静かに席を立った。
「どこいくの?」
隣に座っていた彼氏の仁に聞かれて、声には出さずにトイレ、と伝えた。
もう何度も訪れたことのある隼人のマンション。サークルの飲み会は広い部屋のあるここで行われることが多いから、もう勝手は知ってる。
部屋を出て、トイレに行く振りをして隣の部屋に入り、ベランダにこっそり出た。
最近飲み会で始まる「王様ゲーム」に、私は乗り気になれなかった。
仁という彼氏もいるし、私たち以外にもカレカノが何組かいるのに、どうしてこんなことになってしまうのか。
ノリが悪いと言われても、彼氏が他の人とキスするところなんて見たくない。
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