魔法の帽子
本格的に見えてるぞ、この人……。
あたし、どうすればいいですか?(泣)
今、絶賛、あたしを困らせてるこの人は確か、東條君。
入学式の時から何かとイケメンって騒がれてた人。
あとは、頭がいいやらなんやら………。
ああああ……。あたし、ごまかせるかな……
あたしが悩んでいると、魔遊が東條君に話しかけはじめた。
「君、あたしのことホントに見えるのー?」
「ああ、」
「でも、普通は見えないはずなんだけど、どうしてだろうねー?」
「…………」
うっわー。東條君、『知らねえよ』って顔してるわ。
そら、君、人間ですもん。
逆に知ってたら怖いですわ。
「瑠美ちゃん。あたし、わかんない。」
おいおい。
あんたはわかれよ。
「とりあえず、東條君は魔力……というか、霊感があるんじゃない?」