魔法の帽子


東條くん、ぼーっとしてるけど、大丈夫かな?


まあ、いきなりこんなことカミングアウトされたんだから、しかたないね。


「東條くーん?大丈夫かー?」


「…………」


パチパチと顔の前で手を叩いてみたけど、全然反応してくれない。


「瑠美ちゃん、どうするー?」


「ん〜、仕方ないから、置いてく?そのうち、気がつくでしょ。」


「そだね〜。んぢゃあ、東條〜!ばいばあい!」


あたしたちは、まだぼーっとしてる東條君を置いて、教室を出ようとしたとき…………


「……待てよ」


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