魔法の帽子


「なあ、東條君っての、やめね?」


「え?なんで?」


「いや、なんとなく。あと、ヌマって誰だよ?サイヤのことか?」


「うん。あの、黒い人。」


あれ?ヌマじゃなかったっけ?


あたしが首を傾げたときに、いきなり首に誰かの手が当てられた。


「〜〜〜〜ッキャアアアア!!」


手じゃない!!なんか、固い!!つ…爪が、すごく長い!!


って、絶対人間じゃないよ! 


「東條君!!ちょっ!助けて!!」


「えー。やだ。」


「えぇぇ!?」


なんでよ!!


爪が当たって身動きできないんだもん!


助けてよー!!


「名前で読んでくれたら助けてやるよ」


こんなときに、何言ってんのよ!


うああ!首にある、手(!?)が地味に動いてる!


しかもなんか厭らしい!


てか!あたし、首はダメなんだよ〜!


首、肩、脇、腰 という、くすぐったくなっちゃうランキング上位全て、あたしにはアウトなのよ〜!


「とう…じょっ!」


「名前。」


ちくしょう!(泣)


「まっ雅人ぉ!!助けて!!」


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