魔法の帽子
「ねえねえ!聞いた?昨日も出たらしいよ!」
「あ!あたしも聞いた!ものすごい悲鳴だったって!」
ここは、青葉高校。
そして、今、生徒の中では、『謎の悲鳴』が話題になっていた。
「「青葉高校、七不思議。深夜1時になると必ず聞こえる女の悲鳴………キャー!」」
うるさいなあ、もう。
1年B組のあたしの教室でも、話題の『女の悲鳴』とやらで、騒がれていた。
しかも、あたしの隣で。
「てか、あたし聞いちゃったんだよね〜!」
「うっそぉ!じゃあ、ホントなの?」
「うん!でもね、声が人間とは思えような声でね……」
……うるさい。ホントにうるさい。
もう、教室でよっかな。
まだ休憩時間、あるし。
あたしは、そういって教室を出て、誰もいないであろう屋上に向かった。