魔法の帽子
「なんであんた、こんな無茶してんのよ!!」
雅人をあたしの方に向けさせて、おもいっきり怒鳴り込んだ。
「もし、頭に当たったらとか考えなかったの!?死んでたかもしれないのよ!?」
そうだ。
打ち所が悪ければ雅人は死んでたかもしれない。
そんなの絶対に見たくない。
あの時のようなことを、二度と見たくない。
――瑠美………―――
「ッ!」
少しでも思いだしたらしばらく頭から離れない、あのときの様子とあの人の声が頭の中を駆け巡った。