魔法の帽子
改めてみると、足の腫れはさっきよりはひどくなっていなかった。
こりゃあ、1週間ぐらいで治るかな。
雅人は少しぎこちないけども、湿布をゆっくりあたしの足に張っていった。
「冷た……」
「あ、悪ぃ…」
張られた湿布は皺一つなく、綺麗だった。
こいつ、あたしより器用だな。
ムーと膨れていると、雅人が小さな声で話しはじめた。
「瑠美、守れなくてごめん…。」
「え?」
「俺がちゃんとしてれば、怪我なんてしてなかった」
雅人の顔はとても悔しそうで、
泣きそうな顔をしていた。