魔法の帽子
「なんで、雅人が謝るの?自分を守れなかったのはあたしのせい。まだ、あたしが弱いから。決して雅人のせいじゃないよ」
これは、きっぱりといえる。
だから、そんな悲しい顔、しないでよ…。
「俺、瑠美が魔遊を助けて、危なくなったとき、いつの間にか体が動いてた。
よくわかんねえけど、無事だったお前を見て、すごく安心したんだ。」
雅人があたしの手の上に手を重ねてきて、あたしの目を見て言った。
「俺はお前を護りてえ。これから先、お前に傷なんかつけさせねえ。必ず、俺が護る」
その時の顔がとても真剣で、不覚にもドキドキしてしまった。
「……あのさ、なんでそこまでするの?」
護ってもらう理由なんかあたし達には何もない。
「なんでだろうな…。瑠美の顔見てると自然とそう思った」
「え………」
だんだんとあたしの顔が赤くなってくるのがわかる。