魔法の帽子
だって、まっすぐに『お前を護る』とか言われたら……、誰だってなっちゃうよ。
「ま、そういうことだから。」
そういって軽く微笑んだ雅人は、なんだか、王子様みたいで、体がどんどん熱くなっていった。
体が溶けてしまいそうで、しかも、心臓がドクドクと激しくなっていて。
あたし、何こんなにドキドキしてるんだろ………。
恥ずかしくて顔があげられないよ………。
「ああ、そうだ。それ、貸してくれるんじゃなかったのか?」
雅人が指さしているのは、さっきからずっと手に持っていたトレーナー。
「……はい」
あえて顔はみずに、手だけをあげて渡そうとしてみるも、中々受け取ってもらえない。
「…雅人?何してんの?」
そういって、顔をあげると、
「やっと、こっち向いた」
すぐそばに笑顔の雅人がいた。
「んなっ////」
恥ずかしさもMAXをはるかに超えてフィーバー状態あたしは、トレーナーを押し付けて、
「きょっ、きょうは、かっ帰って!!ヌマ呼んでくるから!!」
リビングに雅人を置いたまま部屋をでた。