魔法の帽子
「あの子、いつの間にかいなくなってたよ!?」
いえ、ここにいますよ?
今、魔遊の姿を見れるようにしたら、みんないい反応をするんだろうなあ。
「帰ったんじゃないかなあ〜〜?」
「ねえ!!やっぱり、噂の悲鳴ってあの子なの?!」
おほっ。やっぱり、聞いちゃう?
違うよ〜って言っても、信じてくれないでしょう!
こうなれば、魔法使うしかないわ!
みなさん、綺麗サッパリと忘れちゃってくださいな!
小さく指で星を描いたあと呪文をとなえる。
「マインド・リブメトリ!」
一瞬あたりが光った。
「ふう。完了。」
あたしの周りにいた子達は、少しボーッと固まっていたけど、すぐに元通りになった。
「瑠美ちゃん、魔法使った!わーりんこぉ!」
「魔遊には言われたくないわ!」
「遠峰さん、どうかした?」
「いや、なんでもないです!」
せっかく綺麗に忘れてもらったのに、不審な行動をしちゃあ、もともこもない。
ホッとため息をついたと思ったら、
「今のなに?」