君が君で私が私だから。






「友愛!」


その声に思わず反応して
その声の主を見る




…中野友愛の彼氏…



俺の嫌いな瞬間


中野友愛は彼氏を見ると

すごく可愛くなる

ぶりっことかじゃなく

生意気な中野友愛

ではなく

純粋に恋する中野友愛


「あ!凪!」

「今日急に部活休みに
なったから一緒に帰ろ」

「うん!やったあ!」


何だあの爽やかな笑顔の

凪とやらゆうやつは


むかつく野郎だな!


『おい!中野友愛!』

「なに?」

『彼氏が来るといつも以上
にブスになってんぞ!』

「は?むかつく」

『本当の事言っただけ
俺は自分に正直だから』


思わず言わなくてもいい事
をわざわざ言ってしまう


「おい!いい加減にしろ」


目の前には俺を睨む
中野友愛の彼氏…


『はいはいすいません
よかったな!
王子様が助けてくれて』



俺はそう言い残すと

教室から出た。



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