君を待っている【TABOO】
君を待っている
「ほんと、お前って本が好きだな。この量を二週間で読んだのか?」
「うん、あっという間だよ」
彼が車の後部座席から私の借りた本数冊を、よいしょ、と言って重ねて持ち上げる。
「ありがと、力持ちさん」
「はいはい、お安いご用ですよー」
返却コーナーで本を返して、彼はソファーに座りスポーツ雑誌をパラパラと捲りはじめた。
私は、奥まったところにある文学史コーナーへと足を運ぶ。
通路の最奥、高い本棚に囲まれた人気のない場所へ。
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