ALONES


ひっそりとジークハルト様の墓の前で泣き、ずっと遠くの海を眺めていた事を知っている。

ランベールはその言葉を胸にしまい、レイチェルを見た。



「お前はまだまだ弱い。けれど、剣の腕は今では俺すら打ち負かすほどになっているだろう。…お前は国王の第二専属騎士にふさわしい、だから再任命された。その事を忘れるな。」



そして、



「お前は“七光り”なんかじゃない。」




ランベールがふわりと微笑みそう告げた時、じわりと瞳が潤うのをレイチェルは感じた。


何なんだこの人は。



涙が流れて、止まらない。



何なんだこの人は。





「なんで、いつも私の側に居るのは団長なんですか。」



思わず睨んでしまった。



「貴方はいつも私の傍に居て、私を助ける。どうしていつも決まって団長なんですか、団長はどうして私をそこまでして庇ってくれるのですか、貴方は一体私のなん―――」




そう言おうとした時、




不意にランベールに抱きしめられ、レイチェルはう、と声を上げる。


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