ALONES
「私を…探したのですか、」
シスターは炎が映ったその鋭い眼光を僕に向け、言い放った。
「わざわざ…ご苦労な事ですね…。でも私は、貴方の元に戻るつもりはございません。」
「え、あ、」
「何度でも言います。私は…どれだけ非難されようと、貴方の元には戻らない。私は貴方の人形でも、飾りでもありません。」
「いや、待って、」
「私は貴方の、餌じゃないわ!」
誤解を解く為に開いた口が、ことごとく彼女の言葉によって阻止されてしまう。
…凄まじい迫力だった。
何を言っても届かない程、彼女の焦り方は尋常じゃない。
でも、これだけはハッキリした。
「…誰かと勘違いしているのかしら。」
隣でキーラが言う様に、彼女は僕を“誰か別の人物と勘違いしている。”と言う事だ。
そうでなければこの言動はおかしい。
おかしすぎる。
「どのような場所で、どのような形でお会いしても私の心は変わりません。」
彼女は燭台を振りかざし、僕を遠ざけ、入口まで押しやると、止めの一言を突き刺した。
「お引き取り下さい。」