ALONES
肯定と否定
時に。
5年もの間、一体何をしているのだろうと考える事がある。
本を読んでいるのか、それとも、一日中寝ているのか。
食事は毎日食べているのか、ちゃんと顔を洗っているのか。
…今も、本当に生きているのか。
思い出せるのは過去の残像ばかりだ。
ため息を吐いて、高みから…国を見下ろす。
眼下に広がる首都バラディエの街並み、そして遥か遠く南に見えるオルフィリア最大の城、グランフィリア城。
どれもこれも本来は自分の物になるハズではなかった。
勿論、いま自分が立っているこの王宮の一室でさえも…。
――似ている。
と、よく言われていた。
歩いていると双子のように見えるとも。
同じ髪色、同じ瞳の色。
顔立ちも体つきも、歳を重ねれば重ねるほど…後を追う様に俺は2歳離れた彼に似て行った。
けれど今はそれを確認する術も無い。
何故なら今は、俺が―――。