ALONES
アルとキーラ
目覚めると、母がいた。
『アルヴァスティン、起きなさい――。』
輪郭がはっきりしない世界で、僕は頭を上げる。
そこは、広い部屋だった。
大きな窓、豪華な机、
僕は天蓋付きのシルクベッドの上で大きく欠伸をすると、小さく首を傾げた。
ここはどこだろう。
―ここは僕の部屋だ。
何故僕の部屋に?
―僕がそう望んだから。
でも僕は孤島にいたはずだ…。
―そう、あなたは孤島にいるのよ。
突然、キーラが現れて僕の手を取った。
『ここは理想郷でしかないわ。
もう、あの頃のあなたには戻れないの。
現実を見て。受け止めるのよ。
あなたはもう…』