ALONES
「じゃーん。」
すると箱の中には、手織りのリボンや、宝石の埋め込まれたブローチやネックレスが沢山敷き詰められていて、
それらを見た瞬間、かつて自分が使っていたものだと悟る。
「これ、手織りのリボンね。多分オルフィリアの伝統工芸品だわ…。それに柄も庶民向けじゃなくて上流貴族向けの物だし、わぁ、すごい。金糸が織り込まれてる。」
キーラは目を輝かせた。
そんな彼女を見ているのがとても新鮮で、キラキラ輝くその瞳がとても綺麗で、頬杖を突いたまま僕は彼女を見上げた。
「それ、全部持って行ってもいいよ。」
すると途端にキーラの瞳が輝きを増し、髪がふわりと浮きたつ。
よほど嬉しかったのか、どうしたらいいか分からないと言った感じに、キーラはその場で数回足踏みをすると、箱を抱きしめたまま大きな花のように笑った。
「ありがとう、アル!」