ALONES
「んー。今日は天気も良いし、折角だからと思って。」
芝生の上に寝そべったままそう告げれば、キーラは「いい奥さんになれそうね。」と僕をからかう。
「誰が奥さんだよ。」
ぷいっとすねてみるけれど、キーラには逆効果で。
彼女は笑いながら僕を起こすと突然、ん、と自分の首を見せてきた。
するとそこには、昨日あげた手織りのリボンが巻かれていて。
「似合う?」
キーラは目を輝かせながら僕を見る。
彼女のその表情を見て、既に似合うという選択肢しか残されていないような気がしたが…
「凄く似合ってるよ。」と微笑むと、キーラはさも嬉しそうに目の前でくるりと踊った。
…それにしても、本当によく似合っていた。
確かにその言葉を彼女は期待していたと思うが、それを引いても、本当にその姿は可憐で。
いつ見ても目を奪われてばかりだと、目の前で笑うキーラを見て微笑む。
すると彼女は突然僕を立たせ、手を引いてどこかへと向かい始めた。
「ゆっくりでいいわよ。」
だなんて言うけど、当の本人が足を速めているのに。
苦笑いをし、転ばないように気を付けながら、どんどんとその手に惹かれていった。