ALONES


いつしか、死を考え始めたわ。



そうすれば皆と同じ所に逝けると、信じていたの。



けれど、そう簡単には死ねなかった。


人魚は自然と繋がり、命の恩恵を受けている特別な存在。

だからいくら私が死のうとしても、それを赦さない大きな流れがある。


他者に殺されることはあっても、自分で死ぬことはできない。

長い間、闇に流される中で私はそれを知ったけれど、自分から人間に殺されに行くのも、私のプライドが許さなかった。



絶望よ。


もう、それしかない。


空っぽの心で私は何時間も海を漂い、死なない躰を痛めつけて、




ふと、意識が遠のいて行くのを感じたわ。




これで、ようやく願いが叶うのだと、思っていた。




けれど、気が付いたら―――。



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