ALONES
——アルはその後も、ただ話し続けた。
自分の事を私に伝えようと、懸命に。
「いずれ、一人で歩く事もできなくなるんだ。」
手も腕も動かなくなって、誰かと話す事も、瞬きをすることも、ベッドから起き上がる事も、
息をすることも、できなくなる。
「僕の体を動かす動力は、年々衰え、消えてゆく。じわりじわりと、痛みと苦しみを伴って、いつか言うことを聞かなくなる。」
いつも思っていた。
死にたくない。
けれど、生きたくもない。
でも、
キーラ。
「今なら、死ぬのが勿体ないと思えるんだ。」
アルは、ふいに私を見た。
そしてその優しい瞳で、優しい声音で…私を散々魅了して。
彼は優しく微笑むのだ。
「許されるなら、君の傍で、生きていたい。」