ALONES
パタパタ…と音を立て、ベッド横にある窓に雨がキラキラと舞い踊る。
寝息を立てるアルを見て、私は静かに口を開いた。
「———すき。」
そして小さく息を吐く。
「きっと私、好きなのね、アルの事。」
アルが苦しんでいる時にこんな事を思うなんて、どれだけ不謹慎なんだろうと頭を抱える。
それにアルはきっと、私をそういう対象で見ていない。
だから、この気持ちを伝えて…断られたら、と考えるだけで、怖い。
ましてや、この恋が叶わなかったら私は———。
ギュッと目を閉じた。
伝えてしまったら、もう後戻りはできない。
だから、言わない。
二日間心に閉じ込めておけたのだから、この先もずっと閉じ込めておける。
「今はアルが一日でも早くよくなってくれる事を願うのよ、キーラ。」
雨は、悲しそうに、流れて行った。