ALONES
「――すき。」
きっと僕は、彼女の事が好きなのだろう。
でも、恐らく彼女は僕の事をそういう対象で見てはいない。
だから、この気持ちを伝えて…断られたら、と考えるだけで、怖い。
それに僕は、不治の病を抱えている。
今日のように何度もキーラに迷惑をかけるわけにはいかないし、
いつかお互いが心に傷を負う前に、別れるべきなのだろう。
けれど、せめて、
せめてその時が来るまでは…
この関係を壊したくない。
だから、言わないでおこう。
君と離れたくないから、君の側で少しでも長く、生きてゆきたいから。
「我が侭でごめん。」
そう言って、僕はそっとキーラの頬から手を離し…布団の下にあった毛布を引っ張り出して、その体を包んでやる。
そして最後にその寝顔を見て、瞳を閉じ、
「ありがとう。」
彼女が隣に居る、朝を待った。