ALONES
異例の訪問者
窓から差す木漏れ日と、鳥の囀りに、唸り声をあげながら目を開ける。
…ベッドに寄りかかって寝てしまったせいか、体中の骨がポキポキ鳴るし、首が痛い。
大きく伸びをしようとして、腕を伸ばすと…ハラリと肩から何かが滑り落ちた。
――あれ、これ、毛布?
何で毛布が…と一瞬考えたが、誰の仕業かすぐに分かって、私はまだ起きていないアルの寝顔を覗き込む。
「そんなに優しいと、もっと好きになっちゃうでしょ。」
聞こえないように、悟られないように、そして起こさないように…優しく彼の髪を撫で、頬を撫で、閉ざされた瞼の上に口づけを落とした。
朝起きた時、側にアルがいる。
それだけで、今日一日分の幸せが補えたような気がして。
「…何か摘んでくるね。」
彼が目覚めた時にびっくりするくらいの何かを用意しよう。
そしたらアルもきっと喜んでくれて…それで、少しでも元気になってくれたらいいな。
眠る彼に声をかけて、家を飛び出せば…自然と躍る心。
誰かの為に何かをしようだなんて、今まで一度も思ったことなんてなかった。
けれど、今は違う。
アルの為ならなんだってする。
アルの笑顔が見られるなら、なんだってする。
だって私はもう、
独りじゃないから。