ALONES
もう、終わりにしよう。
この病を背負う躰からも、オルフィリアの王子と言う立場からも、
憎み切れない家族の思い出からも、死と言う恐怖からも、
孤独と言う、哀しみからも。
僕は僕を終わらせたい。
否、終わらせる。
もう、これ以上は耐えられない。
だから、壊れてしまう前に、今。
いま。
――イマ。
ぴたりと、首筋にフルーツナイフを添えた。
そして強く引くために、柄を握り返す。
「——ふ、」
息を吐き、手に力を込め、この世に別れを告げた―その刹那。