ALONES
聞こえたのは何とも和む会話ばかり。
おまけにアルが嬉しいとか、しかも女が私もですとか。
「――――はぁん?」
なんだか、イライラしてきた。
と同時に…無性に悲しくなってきて。
果てには…アルの婚約者だったらどうしよう、という考えまで辿り着いた。
残念なことに、そう思ってしまったら、もうそうだとしか思えない。
アルは大国の、オルフィリアの王子。
いくら孤島に住んでいるからって、相手の一人や二人くらい…。
いるかもしれない。
「うぅぅぅ…」
涙が溢れてきそうだ。
でも、こんな終わり方って、ナイ。
私は暫くその場で頷いて、立ち上がると…意を決して扉を開いた。