ALONES

散々顔を真っ赤にしながら、よくもまあこれだけ一気に話せるなと思うくらいのあれやこれやを言い終え、


「人の結婚云々の前にもっと大事なことがあるでしょうに…」


ため息を吐きながらそう呟いたレイチェルだったが。





その時。


大事なことを思い出した、と言わんばかりの顔で…ふいに僕を見た。


まどろむ金色の瞳、潜む眉間。


直感的に嫌な予感がしたが――


「国の事で…少々、良くない報告があります。」


レイチェルのその一言で、嫌な予感が的中したことを悟る。


そして意図せず、漏れるため息。

殆ど祖国の状況を知らない僕が聞いて分かる事なのか、とも思ったが…

彼女の報告はもはやオルフィリアだけの問題ではなく、かなり緊迫したものだった。



「長年続いてきた、オルフィリアとロレンツェの同盟が、崩れようとしているのです。」

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