ALONES
「帰ろう。」
手を繋ぎ歩き出す。
レイチェルが言ったように、僕の歴史はオルフィリアの歴史ではない。
もしかしたら、その事を僕自信が一番良く分かっていたのかもしれない。
けれど、その歴史から抜け出す勇気ときっかけを持ち合わせていなかった。
それが今までの僕だ。
でも、もう違うと言っていいだろうか。
キーラと出会い、レイチェルに諭され…少なからず変わった何かがある。
王位継承権を剥奪され、歴史に消された不憫な王子だとしても、僕はもう以前の僕ではないはずだ。
生きなければ。
そして、この体がまだ動く内に…もっと世界を知ろう。
そうすればいつか…いつか。
例えそれが良くない出会い方でも
“あなたたち”にもう一度会えるかもしれないから。