ALONES
共に生きる
正直、嫌な予感はしていた。
だから彼女が夕飯を作ると言った時、かなり躊躇ったのだ。
ああ、ああ、…ああ。
もうため息しか出てこない。
後悔しても時は戻らない。
なんだってこんな…。
「キーラ…」
彼女は振り返った。
真っ白な頬を鮮血で染め上げ、両手は血まみれ…その口からは魚のヒレが飛び出し…
ボトボトと魚の内臓がまな板から零れ落ちる。
「ぅぷ。」
生理的に体が震えた。そして、少々吐き気も。
彼女はそんな僕をよそに、魚のヒレをぬっと口から引き出すと、
「この魚、新鮮でとてもおいしいわ!」
だなんて笑うもんだから、もう最悪。どう見たって悪魔。
僕は読みかけの国報紙で顔を覆い、伏せた。
「ごめん…今は、君の顔を…見れそうにない。」