ALONES

面倒くさいって…。

なんだかなぁ。

キーラらしいな、なんて思いながら食器を洗い終え…ようやく騒々しい夕飯が終わる。


あー疲れた、と愚痴を零し、再びベッドに寝転がるキーラ。

どうも、帰るつもりは無いらしい。

それどころか、ベッドの上に自らが持ってきた箱を乗せて中をごそごそとあさり始めるから、


「何が入っているの?」


と聞いた所、


「レディーの私物を見たいだなんて、変態ね。」


若干傷つく言葉を浴びせられてしまって。

私物だなんて分かるか!と言いたい気持ちをぐっと抑え、引き続き国報紙に目を戻し、数分。

――そういえば。

ふと今日レイチェルに貰った薬を思い出し、近くの棚にしまっておいた袋を取り出す。


「……む。」


開けてみると薬包紙で包まれた薬が30個程度と、文字の書かれた小さな紙切れが入っていた。

“一週間に一袋ずつ服用して下さい。”

詳細は書かれておらず、服用の注意だけ。
えらく簡単な説明だし、どんな成分が入っているのかも分からないが。

…まぁいいかと薬包紙を開き、何の躊躇いも無く、黄色の粉をぐいっと口の中に流し込む。


うぇぇ。


直後、途端に舌の上で最高の苦みと渋みが踊り、粉が口の中の水分を奪う。

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