ALONES
僕にだってもう、君しかいない。
例え祖国に肉親がいようと、今僕を理解し、信じ、痛みを分かってくれるのは君だけだ。
独りになるということ。
その恐怖は痛い程分かる、だからこそ。
巻き込みたく無い。
僕が、僕のこの短い人生が、君の人生の足枷になってしまうのが怖いから。
だから、島を出る決意と共に…離れてしまおうと思った。
—でも。
それは愚かな考えだったと、彼女の両手に気づかされる。
ふいに伸ばされた両手は、僕の頬を包み、涙をぬぐい優しく髪を撫でた。
「あなたは私に迷惑をかけてなどいない。
あなたは私の自由を縛ってなんかいない。
私はあなたを嫌っていない。
アルがアルを許せないなら、私があなたを許してあげる。
この先もずっとずっと、あなたを許し続けてあげる。
あなたは…あなた。私が好きなったアル。
ただそれだけよ。」
泣かないで。
とキーラは微笑むけれど、
そんなの無理だよ。
零れる涙は、嗚咽は、もう止まらない。
込み上げる羞恥心、でもそれ以上に彼女の言葉が、胸に刺さる。
どうして、もっと素直でいなかったのだろう。
こんなにも自分を愛してくれた、彼女がいたのに。
こんな僕を、許してくれる彼女がいたのに。
僕は、また君を悲しませる所だった。
「――ごめ、ん。」
そして、
「ありがとう。」
「僕も、君の事が、好きです。」