ALONES
そう脳が処理したと同時に急激に顔の温度が上がってくる、が…
彼女の躰からだらりと伸びる腕を見た時、僕はゾッとした。
—血。
岸壁の上から見ていた時にはリボンだと思っていた。
けれど、それは違った。
彼女の腕から流れる、おびただしい量の血。
途端に、先程の焦燥感と目の濁りが戻ってきたような気がして、僕はうっと何かが込み上げて来るのを感じた。
そして、一種の同じ憐れみと、哀しみと…
少しの同情も。
若干の自虐の笑みを浮かべ僕はただ佇むと、小さく呟いた。