ALONES
少しの間だけ、キーラは驚いた顔で僕を見つめていた。
けれど次第にその瞳から涙が零れて、なんとも言えない顔で、ただ泣いた。
「良かったぁ…」
泣き虫な王子と、泣き虫な人魚。
そんな僕と君は、もう独りじゃない。
「君を、独りなんかにしないよ。
ずっと側にいて、君の側にいさせて。」
キーラは微笑む。
「なら…どこまでも一緒に連れて行って。私を、あなたの側に居させて。」
勿論だよ。
君がいるなら僕は、この病でさえ、乗り越えられるような気がする。
いつか立ち向かわなければいけない困難も、君と一緒ならきっと。
「これから…あなたが、私の家よ。」
「じゃあ、僕の家は…君だね。」
指を絡め、お互いを見つめ。
額を合わせて、愛を誓う。
好きです。
君と出会わなければ、僕はこの世にいませんでした。
ありがとう。
…ありがとう。