ALONES
「…は?」
思わず口を開く。
「今日、アルヴァスティン様に会いに行っただろう。だから、念には念を、だそうだ。」
念には念を?そんな、馬鹿な。
「念には念に…って、王は私を信用していないのですか。私が情報を漏えいするとでも?それとも船に乗ってこのまま逃げるとでも?」
レイチェルは落胆した。それ程までに私は王に信用されていないのか?
これだけ尽くしてきたのに、なんと酷い。
思わず、目が泳ぐ。が。
「違う。お前の身を案じて、だ。」
彼女の様子に気が付いたランベールが、彼女の頭に優しく手を置いた。
「王はお前を俺以上に信頼している。だからこそ、不安なんだろう、お前があの方たちに捕まるのではないかと。」
あの方たちと言うのは、きっとエルヴィス様とアストリッドの事だろう。
ランベールの言葉を聞き、安心したレイチェルは…ホッと胸を撫でおろす。
信用されている事、そして王が自分の身を案じてくれたこと。
確かに心細くはあった。だから…ありがたい。
いや、でも。