一粒のkiss
哀しみにkiss
「…また、鳴ってる」

大学のサークル仲間と
飲んでると、

隣にいた彼のケータイが、
テーブルの上で振動しながら、少しずつ動いた。


この店に来てから、
もう3回目。


鳴ってるのに出ようとしない彼にチラリと視線を送り、
私は持っていたグラスを傾け、

琥珀色のビールを一気に飲み干した。


「出なよ。急用かもよ」

飲み干したグラスを
タン
と、ダークブラウンのテーブルに置いた。

「…いや、大丈夫。バイト先の先輩だ。きっとシフト代わってくれって用件だから」



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