『無明の果て』
「解ってるわよ。
私がそばにいないのは、私のせいだもの。
それに、涼君の事は私に話したくないだろうし…
ねぇ、私の誕生日プレゼント覚えてる?。
半日遅れの温泉。
温泉に行く日に、一行がなかなか帰って来なかった事あったでしょ。
あんな気持ちになっちゃった。
だから私ね、慌てて帰って来たの。
もちろん一行の事は心配だったけど、私、本当は一行の事少し疑って、園さんのとこ行っちゃうかもしれないって…
勝手よね。
自分の事しか考えてない。
アメリカへ行くのも、日本へ帰るのも、みんな自分勝手。」
一行はうなずいただけで、何も答えなかった。
一行が本社出張を終えるまでの二日間を、私達の本当の出発に出来るように、もう一度出来る事をやり直してみよう。
一行は早くから会社へ出向き私も後輩達へ久しぶりのメールを送った。
”鈴木麗子
一時帰国しましたので、昼食はいかがでしょうか?“
”相変わらず、驚かせ上手。“
と、嬉しい返事も返って来た。
時計を見ながら、お昼までのわずかな時間に、会長にもお祝いの電話を入れる事にした。
「もしもし、麗子です。
ご無沙汰しています。」
「おぉ、麗子さん。
アメリカからはいつ?」
「はい。
昨日です。
ご結婚おめでとうございます。」
「一行に聞いたんだ。
わざわざありがとう。
アメリカへ戻る前に、一度飲みたいね。
考えておいてよ。
あっ、ちょっと待って。」
少し時間があいた。
「もしもし」
「えっ、涼君?」
私がそばにいないのは、私のせいだもの。
それに、涼君の事は私に話したくないだろうし…
ねぇ、私の誕生日プレゼント覚えてる?。
半日遅れの温泉。
温泉に行く日に、一行がなかなか帰って来なかった事あったでしょ。
あんな気持ちになっちゃった。
だから私ね、慌てて帰って来たの。
もちろん一行の事は心配だったけど、私、本当は一行の事少し疑って、園さんのとこ行っちゃうかもしれないって…
勝手よね。
自分の事しか考えてない。
アメリカへ行くのも、日本へ帰るのも、みんな自分勝手。」
一行はうなずいただけで、何も答えなかった。
一行が本社出張を終えるまでの二日間を、私達の本当の出発に出来るように、もう一度出来る事をやり直してみよう。
一行は早くから会社へ出向き私も後輩達へ久しぶりのメールを送った。
”鈴木麗子
一時帰国しましたので、昼食はいかがでしょうか?“
”相変わらず、驚かせ上手。“
と、嬉しい返事も返って来た。
時計を見ながら、お昼までのわずかな時間に、会長にもお祝いの電話を入れる事にした。
「もしもし、麗子です。
ご無沙汰しています。」
「おぉ、麗子さん。
アメリカからはいつ?」
「はい。
昨日です。
ご結婚おめでとうございます。」
「一行に聞いたんだ。
わざわざありがとう。
アメリカへ戻る前に、一度飲みたいね。
考えておいてよ。
あっ、ちょっと待って。」
少し時間があいた。
「もしもし」
「えっ、涼君?」