『無明の果て』
もし生まれ変わって また誰かを愛する時、巡り逢わせとか、偶然とか、あこがれとか、希望とか、必然とか、恋とか、愛とか、運命とか…



また最初からやり直して、別の歩き方が出来るんだろうか。



それともやっぱり ここで、またこの人生を迎えているんだろうか。



「一度電話したんだ。
アメリカで結婚式する日に。


おめでとうって言おうとしたけど、やっぱり言えなくて…


出る前に切っちゃったんだ。」



「そう。

私さ、楽園を歌って行く限りそこには一行がいるって事からそろそろ卒業しないと、オーディションなんかいつまでたっても通らないって思えるようになったのよ。


そりゃ、忘れる事はないけど、作品としての『楽園』を歌わないと認めてなんかもらえないわよね。」




「子供が生まれたって。

男の子」



「そう。

来週のオーディション、結果知らせるから。」



悲しいだけの、悲しすぎるほどの楽園は、またひとつ 切ない想いを重ねて、園の歌声を輝かせた。


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