『無明の果て』
「いや…」
なんて返事をしたらいいのか分からず、言葉を探している間に園は言った。
「一行、ありがと。
あなたの幻と生きて行くのは、歌う時だけよ。
私の人生に一行が関係ないって突っ張っても、それはもう無理な事だけど、でももう大丈夫よ。
色々ありがとう。」
そう言って、そっと右手を出し顔をあげた。
涙の跡が少し光って、流れ星のように見えた。
そうして僕達は、短い握手をして別れた。
さっき走ってここまで来たのと同じように、園はまた 走って店まで戻って行った。
大通りへ出て、携帯を取り出し、いつか同じような場面があった事を思い出しながら、ボタンを押した。
「もしもし、麗ちゃん。
聞こえる?」
なんて返事をしたらいいのか分からず、言葉を探している間に園は言った。
「一行、ありがと。
あなたの幻と生きて行くのは、歌う時だけよ。
私の人生に一行が関係ないって突っ張っても、それはもう無理な事だけど、でももう大丈夫よ。
色々ありがとう。」
そう言って、そっと右手を出し顔をあげた。
涙の跡が少し光って、流れ星のように見えた。
そうして僕達は、短い握手をして別れた。
さっき走ってここまで来たのと同じように、園はまた 走って店まで戻って行った。
大通りへ出て、携帯を取り出し、いつか同じような場面があった事を思い出しながら、ボタンを押した。
「もしもし、麗ちゃん。
聞こえる?」