密恋。~リスクのある恋~
『お前を愛している』
『―――』
…もう、無理だと思った。
身体が悲鳴を上げる。
マルスに触れたいと。
私は欲に負けた。
『…………触れて』
『…』
マルスはふと微笑し、カチリと眼鏡を外す。
そこに現れたのは、素顔のマルス。
眼鏡を外すと、さらに甘いマスクになるんだ、と思った。
遠くで聞こえるのは、野球部のノック音。
サッカー部の声。
柔道部の走り込みの声。
そして、…近付く、マルスの顔。
…クチリ。
『――っ』
私の唇を食べ尽くしてしまうような口付けに私の身体はビクリと震えた。
顎に添えられた大きな温かい手によって、私の口が開かれる。
そこに滑り込んでくる温かな舌。
水音を立てながら私の口内を動き回る舌が、気持ちいい―――
『ふ…、ん…っ』
夢中だった。
身体の奥が熱くてたまらない。
もっと奥まで触れてほしい―――
私はマルスの背中を掻きむしるように、爪を立てた。