密恋。～リスクのある恋～

　

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今日は会社の同期会。

年に一度ある全社研修のため、各地域の営業所からの社員が一斉に本社に集っていた。

ダルい研修を終え、晴れ晴れとした気分での慣れ親しんだ同期との飲み会は最高に楽しい。

それはここにいる同期10人も同じ気持ちだと思う。


「同期の中から二組のカップルができた上に、結婚だと！？ふざけんな！ぜってぇ、おまえらの結婚式になんて出ねぇからな！」

「まぁまぁ…落ち着いてよ。祝福しようってば」

「……お前が少しだけでも美人だったら良かったのに…はぁ」

「はぁ！？ブスで悪かったわね！ていうか、あんただってブサメンのくせに！」


バシッ！と背中を叩いた音が響いた。


「いってぇ！何すんだ、ブス！」


それと同時に、周りからの笑い声が個室内に広がった。


「相変わらずだな、あの二人。てか、お前ら付き合えよ、って思うけど」

「ほんと。入社した時から仲いいもんねぇ。お似合いだし」


私は久しぶりに会った同期、堀内くんと隣同士で座って話す。

私たちの指には、結婚相手とのペアリングが光る。

と言っても、相手はお互いに違う人だ。

私の相手は向こうで楽しそうにバカ笑いをしている絢斗(けんと)、そして堀内くんの相手は絢斗の隣で下ネタを炸裂させている梨恵(りえ)ちゃんだ。

そう、二組のカップルとは私たちお互いのカップルのことだ。