密恋。~リスクのある恋~
――生徒会室の前。
高校時代、私は生徒会役員で書記をしていて、毎日のようにこの場所に通っていた。
懐かしいな…。
ちなみに今の彼氏はこの生徒会で出逢った人だ。
…最近は会うことも少なくなってきてる彼氏だけど…。
つまんない、って、愛想尽かされちゃったのかもしれない…
「―――…結子?」
「!」
私の身体がビクッと震える。
この声…!
聞き覚えのある声に、私は振り向いた。
やっぱり、輪(りん)くんだ…!
輪くんは、私と瓜二つの妹である結子の彼氏だ。
私の5つ年下の結子と輪くんは、私の母校であるこの高校に通っている。
「………やっぱり、結子だ」
輪くんはふわっと柔らかく笑った。
いつも結子に向けている笑顔。
私を結子だと間違えてるんだ…!
ど、どうしよう!
…いい年して、変装して高校に潜り込んでるなんてバレたら、恥ずかしすぎる!
「~~…っ」
よ、よし。これしかない。
…私は結子のふりをすることにした。