密恋。~リスクのある恋~
 



元カレは少しずつだけど確実に、どんどん写真家としての才能を認められていった。

どんどん有名になっていって…私には手の届かない人になってしまった。

雑誌であなたの名前を見るたびに、私の心臓は口から飛び出しちゃうんじゃないかと思うくらい飛び跳ねる。

それと同時に、元カレの写す世界に惹き込まれて、すっかりファンになっていた。





元カレが私の前からいなくなってから4年が過ぎた頃だった。

…元カレから手紙が来た。

海外便だった。

封筒の中に入っていたのは、1枚の手紙と数枚のキレイな写真。

久しぶりに見る大好きな字。

写真に写された景色の感動を伝えてくれる言葉たち。

元カレのことが大好きだったあの頃の気持ちが蘇るのを感じた。

でも、どうして今頃手紙なんて…?

私にはもう、他に付き合ってる人がいるのに。

私の隣で優しく支えてくれる人…。

あなたがいない寂しさを埋めようと頑張ってくれた人…。

やっと、彼のことを本当に好きになれると思っていたのに――…。

 
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