密恋。~リスクのある恋~
「…早く離れろ…っ!お前までくたばるぞっ」
「…っ。…少しだけ、我慢していて下さい…っ」
「は…っつぅ…っ!!」
「ん…っ!」
アタシは悪魔の背中に口付ける。
アタシたち天の使いは口から傷を癒す力を放出できる。
それがどんな存在に対しても可能だ。
…ただし、使っていいと許されているのは、人間と同志に対してだけ。
悪魔に使うことは許されていない。
タブーだ。
私の口が触れた部分から、どんどん傷が癒えていく。
「おい…っ!ほんとに」
「…黙ってて…っ」
苦しい。
…でも、血に濡れた彼の背中を綺麗にしたかった。
癒してあげたかった。
口付けたいと思ってしまったんだ。