密恋。~リスクのある恋~
*
「俺なんかを助けたってバレたら、堕ちるぞ?いいのか?」
「…アタシ元々堕ちかけてるから。問題ありません」
「へぇ?面白いな、お前。…じゃあ、俺ともっと堕ちてみるか」
「―――…」
アタシと悪魔はお互いにお互いの瞳の奥を見つめ合う。
…全く正反対の存在だというのに…
同類だと、感じた。
「―――…そうね、いいかも。黒く染めてよ」
アタシはゆっくりと悪魔の頬に口付ける。
治癒の間にすっかり邪気には慣れてしまって、むしろこのピリピリとする感覚が気持ち良くなっている。
「…、」
たった今私が癒した悪魔の背中…羽根の付け根に手を滑り込ませ、撫でる。
…ここは、どんな存在でも、感じる部位。
「…くっ。煽るの巧すぎだな。わかった。その白い羽根、汚してやるよ」
悪魔は喉の奥で笑い、アタシの羽根にスルリと手を滑っていく。
どんどん汚すように…。
それが私には気持ちよく感じた。
もっと、汚して欲しいと思った。
たとえ、どこまで堕ちようとも。
Fin.