密恋。~リスクのある恋~
 

「でも、やっぱり、今までの方がカッコいいな。うん、もっと俺が頑張ればいいだけだし」

「!」

「ねっ」

「っ!」


にこっと極上の笑みを浮かべるSAKUに思わずドキッとしてしまった。


「チハルさん、特訓してもらえます?コツとか教えて欲しいし」

「え、いいです、けど…変えなくていいんですか?」

「うん。ファンの子達を驚かせたいし」


意外な言葉に、私は本音をついポロリと溢してしまう。


「…リスク、高いのに?」

「俺のリスクとファンの子達の笑顔は関係ないでしょ。俺が望んでるのはファンの子達に楽しんでもらうことだから。そのためなら練習でぶっ倒れようとやるだけだよ」

「…」


驚いた。

笑顔振り撒いてるだけ、だなんて、違っていたんだ。

この仕事に誇りを持って、真剣にファンと向き合ってる。





それからのSAKUのダンスの上達ぶりはみんなも驚く程で、ライブの前日には完璧にパフォーマンスできるようになっていた。


 
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