密恋。~リスクのある恋~
「でも、やっぱり、今までの方がカッコいいな。うん、もっと俺が頑張ればいいだけだし」
「!」
「ねっ」
「っ!」
にこっと極上の笑みを浮かべるSAKUに思わずドキッとしてしまった。
「チハルさん、特訓してもらえます?コツとか教えて欲しいし」
「え、いいです、けど…変えなくていいんですか?」
「うん。ファンの子達を驚かせたいし」
意外な言葉に、私は本音をついポロリと溢してしまう。
「…リスク、高いのに?」
「俺のリスクとファンの子達の笑顔は関係ないでしょ。俺が望んでるのはファンの子達に楽しんでもらうことだから。そのためなら練習でぶっ倒れようとやるだけだよ」
「…」
驚いた。
笑顔振り撒いてるだけ、だなんて、違っていたんだ。
この仕事に誇りを持って、真剣にファンと向き合ってる。
*
それからのSAKUのダンスの上達ぶりはみんなも驚く程で、ライブの前日には完璧にパフォーマンスできるようになっていた。