密恋。~リスクのある恋~
*
キャー!
最終日のライブが始まった。
この歓声や空気感が今日で終わってしまうと思うと、何だか寂しく感じた。
――ライブは問題なく進んでいく。
CLOKのメンバーもダンサーのみんなも、絶好調だ。
ところが。
ライブのパフォーマンス中、思わぬ出来事が起きた。
SAKUと私がペアになって踊る部分で、SAKUと私の唇が触れたのだ。
「!」
この3ヶ月、同じ振り付けのパフォーマンスをしてきたけど、ギリギリで触れないラインを保っていたのに。
…今、絶対触れたよね?
少しビックリしてしまったけど、今はお客さんの前。
それにSAKUは相変わらず、お客さんに向かって満面の笑顔を向けている。
…きっと、事故だ。
私も何事もなかったかのように、CLOK5人の後ろでパフォーマンスし続けた。