密恋。~リスクのある恋~
*
「お疲れさまでしたー!」
ツアーの打ち上げが盛り上がる。
あれだけ走りまくって踊りまくって疲れてるはずなのに、みんな元気すぎる。
…と思いながらも私もすごく楽しくて、たくさんたくさん笑った。
――みんなが盛り上がる中、私はトイレに立った。
みんなの騒ぎ声はトイレにまで響いていて、つい笑ってしまった。
トイレを済ませてみんながいる部屋に帰る途中、廊下でSAKUに話しかけられた。
「チハルさん」
「え?あ、SAKUさん。最終日お疲れさまでした」
「チハルさんも。ありがとう」
「いえ。3ヶ月ちょっとの間でしたけど、楽しかったです」
最初は、アイドルのダンス指導なんて冗談じゃない、と思っていたけど、ライブ含め楽しい仕事だった。
…最後の最後に焦るようなことはあったけど、目の前にいるSAKUはその事には触れないし、やっぱりあれは事故だったんだ。
忘れてしまおう。
「――あ、あとさ」
「はい?」
「さっきはごめんね?」
「………さっき…?」
って?