密恋。~リスクのある恋~
「…気持ち良さそうだったよね」
「…っ、あっ、あれは、違っ」
「まさか、この手に気付かないとは思わなかったけどね」
私の目の前でタケルは手をヒラヒラと動かす。
「…えっ!?」
「くくっ、ちょっとイタズラしてみたんだよ?」
「!!」
予想もしていなかった暴露に、私は言葉を発することができなかった。
うそ…!
あれはタケルだったってこと!?
くすくすと意地悪そうに笑うタケルに私は釘付けになる。
「…ミユはたまには刺激が欲しいって、いつもそう思ってるんだよね?それもずっと気付いてた。あー俺といても、つまんないんだなって」
「――っ」
この言葉を聞いた瞬間、タケルは私の後ろをついてきているふりをしてるだけだと、私は気付いた。
私のことなんて全部お見通しで、本当はずっと私の遥か先を走ってたんだ…。
言葉を失ってしまった私に伸ばされる手。
その手が首筋に触れた瞬間、私の身体に電気が走ったような感覚がした。
「…仕方ないから、今からあげるよ。刺激。」
「…っ、ひゃ…っ」
「安心して?俺はそんなミユがかわいくて仕方ないんだから。…これからたくさん、愛してあげる」
「あ…っ」
与えられるものは、甘過ぎる、今まで感じたことのない刺激だった。
脳内を犯す意地悪で甘い言葉。
意識を飛ばしそうになるほどの甘い刺激。
私はどんどんタケルに溺れていくのを感じていた。
…この日から、私は再びタケルの後ろを追いかけることになったのだ。
Fin.