密恋。~リスクのある恋~
「…気に入った。貴女がいい」
「え?」
「親父さん。この娘との写真を頼めないだろうか?」
「え、土方様?」
「…昔の想い人に似ている。…お願いできないだろうか」
「―――」
私が…土方様の想い人に…?
私自身が想われているわけでもないのに、トクンと鼓動が跳ねた。
土方様の視線が私に戻ってくる。
…その瞳はとても艶やかで色気があって、引き込まれる――。
いけないのに。
私にはこの身を捧げる人がいるのだから。
他の男に囚われてしまうなんて――。
「…小夜。土方様の仰る通りに」
「…でも」
「いいから。…土方様。娘は近々嫁ぐ身です。それでもよろしければ…他言もされぬよう」
「構わない」
「では」
父の目が私を向いた。
土方様の傍へ、と。
戸惑う心はありつつも、私は土方様に引き寄せられるように近付いた。