密恋。~リスクのある恋~
 

…その視線は彼氏にはバレてない?

見てるだけで別に悪いことしてるわけじゃないけど…

何となく悪いことをしてる気分になるのはなんで――?


でも実際、ネコ王子には悪い気分にさせたってことだよね…


「…あの、不快な思いさせちゃってごめんなさい」

「…」

「えと…この前、見ちゃって。あなたがネコにキスしてるところ。それが何だか頭から離れなくて、つい」

「…へぇ?あのキスを?」

「ごめんなさい…もう、見ないから…っ!?」


ふわりと私の唇の端に触れる、ネコ王子の柔らかい唇。

それはまるでこの前の、ネコにキスをしていた時のように。


「サヤさんもこうされたかったんだ?」

「…ちっ、ちが…っ!」


戸惑う私を見て、楽しそうに目を細めてネコ王子は笑う。

初めて見せたその笑顔に、私の胸がきゅっと締め付けられるのを感じた。

そんな顔されたら、目が離せないじゃない…!

 
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