Black Beast.
「 そんなに寂しい? 」
伏せた目が私を捕らえて、
意地悪そうに歪んだ口からは
私が言いたくても言えない
本心が零れてきて。
意地悪だと思いながら、
まだ居てくれることを
素直に嬉しいと思って、
それが少し悔しい気もして、
ただ黙って彼を見つめていた。
「 ・・・泣くなよ? 」
そう言って彼が頭を撫でて、
頬に触れて、指先で顎を持ち上げた。
─────────────チュッ
「 また明日な、柚菜 」
触れるだけのキスを落として
彼は離れて行った。
私は何も言わずにそっとドアを閉めて、
しばらくの間、玄関に蹲っていた。
・・・・・・ズルすぎるよ、バカ。